伊藤kumaと愉怪ななかまたち

伊藤kumaとなかまたちの日常とか非日常とかいろいろ

伊藤kumaと愉怪ななかまたち

ふねのともだちと大切なひと その2

やっぱり1回ぢゃおわんなかったよ、まぁちゃんね。

ってことでここからその2がはぢまるぜい

 

【船で】

最初のよる、

マリーと娘のモヤ、マーリットと息子デビットは4人でおなじテーブルにすわりました。

 

マリーとマーリットはすぐになかよしになりました。

ふたりはノースカロライナやイギリス、家族について、7日間の船のりょこうについておはなしをしました。

 

たくさん笑いました、

それはふたりにとってとっても必要なことだったのです。

 

アラスカの港に船がついたとき、マリーはマーリットを観光にさそいました。

 

かれはすぐに

 

「いいよ」

 

と言いました。

 

 

マリーとマーリットがアラスカの街をさんぽしているとき、マリーはずっとマーリットの手をにぎりました。

ふたりはたびのおわりまで手をにぎり合っていました。

f:id:itokuma:20151016174556p:plain

  

 

ある夜のこと、

マーリットは息子にうちあけました。

 

 

「あのな、かのじょといるととっても楽しいんだ、とてもすばらしいんだよ!」

 

 

しかし、マーリットはこれが長くつづかないことをしっていました。

 マーリットはいいました。

 

 

 

「おれの年でこんなにのぼせちまうなんて!」

 

 

 

 

息子デビットはいいました。

 

「たのしみなよ、おやじ」

 

 

 

一方、

 

 

マリーも娘にうちあけました。

 

 

「かれは私のむねをトキめかせるの!」

 

 

かのじょはまるで別人のようにみえました。

もはや、さみしい未亡人ではありません。

 

 

かのじょは、

  

輝いてみえました

ほっぺがあかくそまりました

くり色の瞳がキラキラしてます

 

 

マリーはたずねました、

「ねぇ、わたしいま、のぼせてるとおもう?」

 

 

娘のモヤはいいました

「そんなことないわ、がんばって!」

 

 

マリーと娘はマーリットのことをたくさんはなしました。

しかしふたりはまた、マーリットの息子デビットについてもはなしました。

 

 

デビットとモヤはどちらも結婚してないのです。

 

 

デビットはバツイチ、モヤは結婚したことがありませんでした。

 

マリーはデビットが娘のモヤに気があることに気づいていました。

 

 

マリーはいいました

「デビットはとってもいい人よ」

 

 

「かれはわたしのタイプじゃないわ」

モヤはこたえました。

 

 

 

デビットは父親のことをとてもしんぱいしていました。

隠してはいるけど、まだこころの中でお母さんのことをかなしんでいるんじゃないかと。

 

父親はものしずかで控えめなタイプでした。

 

 

父親がマリーといっしょじゃない時も、48さいのデビットは父親のそばにいました。

 

ただいちどだけ、モヤとデビットは船のデッキで一緒にいたことがあります。

そこへちいさなおんなのこが近づいてきてこう言いました。

 

「ふたりは結婚してるの?」

 

すると、モヤは

 

「けっこん?」

 

とこたえ、わらいました。

 

「わたしたちは兄弟みたいなものよ」 

f:id:itokuma:20151016174557p:plain